ノンアルコールとバー 後編

前回はバーにおけるノンアルコールの現状や抱える問題に関してお話ししましたが、今回はノンアルコールカクテルのレシピ展開についてお話しします。

ノンアルコールカクテルの今後の展開

単にノンアルコールカクテルと言ってもレシピは様々で、最もシンプルな場合はジンジャーエールにライムを加えたサラトガクーラーがあります。

しっかりと名前がついておりカクテルブックにも記載されている様なメジャーなレシピではありますが、アルコールが苦手な方が何らかの機会でバーを訪れた仮定すると提供されるカクテルとしては個人の意見ですが非常に退屈な内容に感じます。

また季節ごとの果物を使ったカクテルに関しても、果物の種類で他店との差別化を図る事はかなり難しくなります。

しかしながら通常のアルコールが含まれたカクテルに関してはお店によって月替りなどで独自性のあるレシピを作成し提供されている場合もあり、その派生でノンアルコールカクテルのレシピを作る事は可能と思われます。

バーでは売上の大多数がアルコール飲料で占められているため、バーテンダーの方から見ればノンアルコールのために時間や労力を割くと考えると非常に腰が重くなってしまうかもしれません。

私自身もその様に考えた時期がありましたが、カフェやレストランへのドリンクメニューの開発等に関わるうちに少しずつ考えが変わりました。

レシピの開発

上記で触れたドリンクメニュー開発にて使用する機会の多い材料が

  1. 主材料 炭酸飲料 紅茶 ハーブティー 等
  2. 副材料 シロップ 果汁類 
  3. その他 スパイス類 フレッシュハーブ 酢 

となっており、これらを組み合わせてレシピを作成しています。

わかりやすい物のみを羅列しましたが、既製品を組み合わせるだけでも無限にレシピが作れる事は伝わったかと思います。

材料ごとの相性もありますが、ご家庭でも気軽に楽しんでいただけます。

ですが今回はバーでのノンアルコールと題しております、ただ購入できるものを組み合わせる事が全てでは少し物足りなく感じてしまいます。

その物足りなさを解消するために上記の材料を組み合わせてオリジナルの材料を作成する事でより独自性を秘めたメニューを開発する事が可能です。

例を挙げるとスパイスの香りを含んだシロップや、果物の風味を酢に加えるなどです。

これらの材料作成はバーテンダーの通常業務であり、バーテンダーとして経験を積んでおられる方であればできて当然の極めてありふれた技術です。

言い方を変えれば、バーテンダーが行う通常業務の中で既にノンアルコールカクテルの原型ができていると言う事になります。

バーテンダーとしてのありふれた業務の一つにも大きな可能性が有ると考えれば、それを活かさないと言う選択肢はありませんね。

以上、簡単ではありますがノンアルコールカクテルの今後やレシピについて書かせていただきました。

バーの生き残り

2回にわたってバーとノンアルコールという内容で、違和感を感じられた方もおられるかもしれません。

しかしコロナによって飲食業は致命的な打撃を受け、最近では対面より横並びの方が遥かに感染リスクが高いことも解かりました。

その中でバーが生き残る策は一つでも多く紹介していきたいと思います。

四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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