バーテンダー適正の有無 2

バーテンダーという仕事においての適正で前回は性格や体力面に関して触れましたが、
今回はその他の部分について細かく分けて考えていきたいと思います。

1、料理、調理経験の有無

店によってはしっかりとした料理を提供することもあるため、
料理全般に関して得意であるに越したことはありません。

しかしバーテンダーとしての仕事をする上での必須事項ではないので
料理が苦手だからと言って不利ということはありません。
もちろんカクテルを作る上で包丁を扱ったりと最低限の技術習得は必要になります。

2、趣味の有無

バーテンダーとして働かれている方もこれから始めたいと考えておられる方も
傾向として酒類への興味とそれらへの探求が趣味になっている方が多いように感じます。

プロとして自身が日々扱う酒類に対して真摯に向き合うことは素晴らしいことですが、
バーに来店される方皆さんがカクテルやウイスキーなどに深い関心があるわけではありません。

バーテンダー自身にバーでの業務とは別の趣味があるとお客様との会話が弾む事があり、
共通の話題が生まれることで来店頻度の向上にもつながります。

3、情報の速さと量

ここはかなり重要なポイントかもしれません。

バーには近隣の飲食店から2軒目に立ち寄られたりする場合が多い印象ですが、
バーに立ち寄りその後の飲食店を紹介してほしいと頼まれることがあります。

そのような時の情報の速さや多さは非常に強い武器になります。

近隣にできた新しい飲食店の情報やバー以外の飲食店との繋がりも非常に大切です。

4、社会経験の有無

バーテンダーを志す方の半数以上が学生時代のアルバイトから興味を持ったり、
飲み行ったことがきっかけになったりと比較的若い年齢で仕事につかれます。

私のところにもバーテンダーになりたい、なるにはどうするべきか?
大学を卒業したら雇ってほしい等様々な方が来られました。

その時の私の答えは決まって「一度就職してしっかり仕事に取り組み、
それでも気持ちが変わらないならもう一度話そう」でした。

バーテンダーは正直なところ若くして始めた方が良いと一概に言えません。
大学まで卒業して入った店が非常識な労働条件である場合もあり、
社会経験のない若者が飛び込んだ結果それが当たり前となってしまい
自身が独立した際に同じような事を次の世代に強要してしまう可能性が高くなります。
そうでない勤務先であれば良いとは思いますが、
新卒であるなら一度冷静に考えること強く進めます。

これとは逆に目指すには遅いということは体力的な面を除けばほぼありません。

様々な経験を積んだ時間はバーテンダーの仕事において一切無駄にならず、役に立つことが多いと思います。

まとめ

今回バーテンダーの適正の有無と題して書き上げましたが、
前回の記事から読んでいただいた方はお気づきかもしれません。

バーテンダーを目指すにおいて適正というものはあまり無く、
それぞれがそれぞれの形で表現できる仕事ではないかと思います。

お酒を扱う以上そうでない仕事に比べると予想外のトラブルが発生することもありますが、
常識的な判断ができる方であれば何も不安はありません。

飲食業界も変わらず厳しい状況が続いていますが、
バーという業態で新しい可能性が見出せるタイミングかもしれません。

四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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