Cocktail Story~カクテルレシピと自身の記憶「ジントニック」

以前より他の媒体にてBARや飲食業について自身の経験や今後について思う事を書いてきた中で、カクテルのレシピやメイキング時の注意点などに軽く触れることはありました。しかしながら一つひとつについて深く書き溜めることはなかったと気づいたため、今後定期的に書き残していこうと思います。

カクテルのレシピや価値観はバーテンダーによって違うものです、ここではどんなお酒なのか?由来はなんなのか?などの難しい話は抜きであくまで私の思い出話程度に受け取っていただければ幸いです。

それではよろしくお願いします。

 

ジントニック GIN&TONIC

 

introduction

1回目に何を選ぶか少しだけ悩みました、本当に少しだけです。

というのも結果的にジントニックしかありませんでした、バーテンダーのほとんどが最初に練習するカクテルであり国内で最も認知されているカクテルであると思います。

そんなジントニックですが、認知度の割に意外と飲んだことがない方が多いカクテルでもあります。

おそらくですがほとんどの方にとってジンもトニックウォーターもどのような味か想像がつかないからではないでしょうか?

ここについては私も同じです、正確には私にとってジンはジンの味でありトニックウォーターはトニックウォーターの味なのです。

お客様からジントニックって何味?と質問される事も稀にありますが説明に困り、自身の力の無さを痛感する日々です。

 

this volume

ここまでの話では一見とっつきにくい印象ですが、バランスのうまく取れたジントニックはジン特有の癖を感じさせないほどに爽やかで万人受けするカクテルです。

思い返せば結構ハマる方もおられ、比率で言うと女性の方が多かったと記憶しています。

そんなジントニックですが、バーテンダーにとっては絶対に避けて通れないカクテルです。

ジントニックを作った事がないバーテンダーの方がおられるとすれば、かなり特殊なお店で働かれているのではと思います。

若かりし頃はなんでジントニックなんだと、他のカクテルで練習してはダメなのかと勝手に憤っておりました。

ジンのアルコール感とその風味、トニックウォーターの清涼感と発泡にライムの酸味や香り。

多岐にわたる味や香りなどのバランスを取らなければならないカクテルと考えれば、ジントニックを最初に練習するべきと今更ながら理解をした次第です。

 

side story

過去と現在の自分にとってのジントニック

私のこれまでの経験でも、最も作ったカクテルはジントニックであると言うことは紛れもない事実です。9割はお客様で1割は私自身が練習で作り自ら飲む、そんな比率だと思います。

そんなジントニックが大嫌いでした。

想像していただきたいのですが昼過ぎに出勤して深夜3時頃に閉店、その後自身で買った材料で朝まで練習をします。

もちろん作ったジントニックを味見だけして流すような事は許されません、師匠が作ったお手本の味を記憶し延々と作っては飲むを繰り返すのです。

早ければ電車が動く頃に店を出て帰宅します。

早い方なら出勤の電車を待たれている中ひどく酒に酔った私がいます、どうみてもその姿は仕事終わりなどではなく朝まで酒を飲んでいた人でしかありません。

 

recipe&technique

私が働いていた店鋪のレシピはジンが40ml少々入りトニックウォーターを注いでも計算上14〜15%ほどのアルコール度数でした、日本酒と同程度の強さです。

そんな生活を延々と繰り返し、気づいた頃には店でお客様にカクテルを提供することを許されていました。

現在では教えられたカクテルのレシピはほぼ自分仕様に変わっていますが、ジントニックはその中でも変化が激しいと思います。理由としては簡単で、入手できる材料が増えたと言う事です。

私がバーテンダーの仕事を始めた頃はジンを選ぶくらいしかできませんでした。

現在ではトニックウォーターの種類も増え、ライムも時期によっては国産のものを使えます。

作成手順もシンプルですので、自宅で作るカクテルとしてもお勧めです。

分量例:

プリマスジン 35ml
ライムジュース 8ml
フィーバーツリートニック 90ml
モンキー47 1tsp

 

Ending

過去ジントニックに良い印象を持っていなかった私ですが、今となってはそのシンプルさに魅せられ作るのが楽しく感じています。

近々、現在のジントニックのレシピと自宅での簡単なジントニックの作り方などを動画にしてまとめたいと思います。

四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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