スモールビジネスのマーケティング考 -リアル店舗初開店編①-

今回からは様々なケースに合わせて、どのようにSNSやソーシャルメディアを活用し運用していくべきかを考えていきたいと思いますが、
まずは、ゼロからリアルな店舗を初開店する場合を考えていきたいと思います。

 

■初めての出店ですることは?

一言にゼロから店舗を開店すると言っても、色々なケースがあると思います。
例えば、初めてバーを開店しますと言っても、有名なバーでバーテンダーとして修行を積み開店する場合もあるでしょうし、
仲間内でお金を出し合って開店するケースもありますし、また、既に趣味などでコミュニティが形成されている上での開店もあるでしょう。
(Ex.ダーツバー、プールバー、エアガンのシューティングバーなど他の趣味とバーを組み合わせている場合など)
今まで培ってきた人脈やコミュニティをフルに活用するのは当然だと思いますし、
もしコミュニティがなくても知人、友人に「自分が出店する」と言えば、気に掛けてくれる方もいるでしょう。

そこで、コミュニティや友人、知人に広めてほしいと考えるのは至極当然でしょう。
そのような人たちに何をすべきでしょうか?クーポンの配布でしょうか?
まずは、何かしらのコンテクスト(文脈)だったり、ストーリーだと考えています。
例えば、実際に売りにしたいメニューの出来るまでの経緯でもいいですし、
店名の意味や店舗の装飾の意図でもいいですし、
些細なことでも、「人に聞いてもらえる」、「人に興味を持ってもらえる」体裁に整えて、
ソーシャルメディアに投稿しましょう。
実際に、何が刺さるかわかりませんが、リアクションを見ながら、
色々な形で投稿をしてみて、どのようなストーリーが求められるのか試してみましょう。
情報でもいいのですが、ストーリーにしてあげることにより、
コミュティや人脈の外での会話に使えやすくなり、拡散に期待できます。

例えば、「おいしいラーメン屋さんがあるよ」って言うより、
「オーナーが○○にこだわったラーメン屋さんがあるよ」と言った方が、
会話に溶け込めやすいでしょうし、話を聞いている人にも残る情報になるでしょう。
また、「なぜ〇〇にこだわったのか?」とか、「どのように〇〇に辿り着いたのか?」などストーリーがあれば、
より一層効果的でしょう。

 

■宣伝しなくていいの?

いきなり人の繋がりやコミュニティの活用からお話ししましたが、それよりも「宣伝しなくていいの?」って思われるかもしれません。
チラシを印刷してポスティングしたり、Web広告などお金を出して宣伝してお客さんが来ると考えるなら全然してもいいと思います。
ですが、その前にやるべきことが上記の事柄になります。

詳しく下記の図で説明できればと思います。

よくある成果へ導くための簡単なダブルファネル(二つの漏斗)になりますが、改めて説明すると、

お客さまは広告や宣伝、口コミなどで店を「認知」して、気になって「興味」や「関心」を持って、
実際に「来店」し、「購入」に至ります。上のファネルは「購入ファネル」と呼びます。
そして、その「来店」や「購入」といった体験を基に気に入れば、
再び「来店」し、「購入」を何度か繰り返します。
何度か「来店」し、「購入」を繰り返すのは、
商品なのか、店の雰囲気なんかはお客さまによって異なりますが、
お客さま自身が友人や知人に「紹介」してくれるでしょうし、
お客さま自身のコミュニティに「発信」してくれるでしょう。
下のファネルは「影響ファネル」と呼び、情報の拡散の流れを表します。
そして紹介を受け取った友人や知人、コミュニティの方々は新たに「認知」し、
「興味」や「関心」を持って、実際に「来店」し、「購入」に至るでしょう。

これらの一連の流れをダブルファネル効果と呼ぶのですが、
大手メーカーさんや大手販売店などは、
「認知」から進めるのですが、ゼロからスタートする個人の商店ではコストもさることながら、
数多くの方に知られても、新しい店の体制では受けきれなく、
折角来ていただいたお客さまに残念な感情を与え、負のダブルファネルを引き起こす可能性もあります。
しかし、身近な友人や知人、コミュニティの方々から始められれば、
ネガティブな口コミの発生を抑えられ、徐々に進められると思います。

では、影響ファネルを好転させるためには何をすべきか?
ここまでSNSは使っていませんが、ここからSNSを活用していきます。
次回、色々と考えてみましょう。

羽木昌尚

2004年にコンテンツプロバイダに入社。
デジタルコンテンツの権利の許諾獲得、自社サービスのプロモーション業務に従事。
2006年にコンテンツデベロッパーに入社。
自社アプリの広告出稿業務に従事し、担当アプリにて900万DL達成。
また、自社メディアでの広告マネタイズを経験。
2018年より独立し、モバイルゲームやアプリをはじめ、
有名おもちゃメーカーなど様々な企業、プロダクトのマーケティング戦略の立案と実行を支援。

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