Cocktail Story~カクテルレシピと自身の記憶「 バンブー Bamboo 」

ご無沙汰しております。

ようやく寒い日も少なくなり、春らしい1日を過ごせるようになってきましたね。

そんな季節とは裏腹に、飲食業の方にとってはまだまだ厳しい時期が続いております。

バーにも久しく来店していないという方もまだまだ多いのではないでしょうか?

春の訪れとともに安心して外出できる様になることを願うばかりです。

 

 

バンブー Bamboo

 

introduction

今回のカクテルですが、バンブーというカクテルを選びました。

個人的にはオーダーを頂くことが多かった
カクテルという印象がありますが、
一般的とは言えないカクテルかもしれません。

cocktail storyの記事を書かせていただくときは、
極力イメージしやすいカクテルを選ぶようにしていますが
今回は少し違った目線でバンブーというカクテルを選択しました。

それではよろしくお願いします。

 

this volume

まずはバンブーがどの様なタイプのカクテルか、
そして材料には何が使われているかの
解説から入りたいと思います。

バンブーは比較的軽めな度数のショートカクテルです。

食前酒でレストラン等でも
メニューに記載されているのを時折見かけます。

材料はドライシェリーとドライベルモット、
オレンジビターにレモンピールとなり主に使用するシェリーと
ベルモットを飲まれたことがある方は
味のイメージが簡単かもしれません。

主材料の度数がともに約20%なので
ものすごく強いカクテルではありませんが、
アルコールが苦手な方には
少しハードルが高くなってしまうかもしれません。

 

recipe&technique

次にバンブーを作る際の技法と注意点などに触れていきたいと思います。

まず技法に関してはステアとなります。

ミキシンググラスに氷を詰めて材料を注ぎ、
バースプーンでステアしてグラスに注ぐという流れになります。

マティーニやマンハッタンと同じ作り方ですね。

異なる点は主材料の温度帯とアルコール度数になります。

マティーニであれば冷凍庫で
マイナス20度位に冷やされたものを使いますが
マンハッタンであれば常温である場合が多いと思います。

ですがバンブーに使用する主材料2種は
冷蔵庫で冷やしているパターンが多数派と思われます。

その次にアルコール度数。

私の場合はマティーニに使用するジンは47%、
マンハッタンに使用するウイスキーは40%でした。
カクテルの中を占める主材料の割合は
それぞれではありますが大半を度数の高いお酒が占めています。

それとは異なりバンブーは主材料2種ともに20%、
比較として挙げたカクテルとは大きく違います。

上記の点を踏まえてバンブーを作る際の注意点と言いますか、
ポイントを解説したいと思います。

ステアで作るカクテルの中では度数が低いので、
どうしても同じように作ると水っぽさが出てしまいます。

マティーニ程に度数も高くベースも冷えていて
主材料の割合が多いカクテルであれば
ステアにかけられる時間も少し長くとれますが、
バンブーはそこまでの度数も材料の冷えもないため
ステアという同じ技法を使いますが
違ったアプローチをとっていきます。

まずバンブーに使用するシェリーとベルモットは
互いに度数や糖度で見ると非常に近しい部分が多く、
その際のメリットは混ざりやすいという点です。

それに加え冷蔵庫で冷やされているため
ステアで大幅に温度を下げる必要もありません。

ですのでバンブーにおいてのステアの目的は
シェリーとベルモットの香りを引き上げることになります。

ゆっくりとステアし、シェリーの香りの中に
ベルモットの香りが感じられるようになってころが
個人的に完成の合図かと感じております。

グラスに注いだ後のレモンピールはカクテル全体ではなく
グラスの縁に少し香りをのせるイメージで良いかと。

 

分量例:

フェノシェリー40ml
ドライベルモット25ml
オレンジビター2ds(自宅等で試す場合は無い場合もあると思います、その際はレモンピール強め)
レモンピール

 

Ending

今回はなんと言いますか、バンブーの話より
技法のアプローチの仕方の話になってしまいましたが
この様なタイプのカクテルがあるからこそ
一つの技法でも全て同じ様に実行すれば良いわけではない
と考えさせられます。

香りの立ち方や変化も感じやすく、
材料も入手しやすいため
興味が湧いた方は一度試して見てください。

混ぜているうちにお酒に少しづつ水が加わり、
香りが立ってくるのを実感すると
ちょっとした感動を得られるかもしれません。

今後も私の経験則にはなりますが
この様なお話をさせていただければと思います。

四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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