現代のカクテル文化において常に感じていた疑問ーラムネを使ったカクテルレシピ

ご無沙汰しております。

今回は現代のカクテル文化において常に感じていた疑問について書いていこうと思います。

素朴な疑問

バーテンダーの仕事を始めた初期から、自分の中に一つの疑問がありました。

以前別の記事でも触れたかもしれませんが、カクテルに使用する副材料の話になります。

ここでのカクテルとは主にロングカクテルのことを指しますが、
その中にはソーダやジンジャーエールなどの炭酸類を使用するものが多く存在します。

ですが使われる機会が多いもの限られています、例を挙げるとすれば
先ほどのソーダやトニックウォーターにコーラやジンジャービアなど数種類に限られます。

もちろんその他のものが使用されていない訳ではありませんが、
近年もさまざまな清涼飲料水が販売されています。

しかしながらそれらの商品がカクテルの副材料として定着した例はかなり少ないです。

そこで現在手に入る材料でできるカクテルを考えてみたいと思いますが、
今回は日本人にとって最も馴染み深い炭酸飲料である
ラムネ(世代による)でカクテルを考えていきます。

ラムネは明治時代から日本で製造されるようになり、
元はレモネードが変化しラムネと呼ばれるようになったそうです。

ブドウ糖溶液やレモンライムの香料、酸味料などを加えた炭酸飲料なので
カクテルには使用しやすい印象ですが、ラムネ自体にも独特の爽やかな風味があるので
そこは活かすべきと考えます。


今回考案したレシピ

ジン 25ml

パウダーシュガー 1tsp

ライムジュース 1tsp

ミント 飾り程度

ラムネ 1本

クラッシュアイス


今回のカクテルはラムネの清涼感や風味に少しボリュームを加えるように仕上げました。

ジンとライム、砂糖でアルコールや甘味酸味のバランスをとりラムネに加えるというイメージです。

あえてアルコール度数を低くしラムネ以外の割合を少なくすることで、
ラムネの風味をしっかりと感じられるカクテルとなっております。

構成だけを見るとモヒートのように感じますが、
ミントはあくまでグラスに飾りほのかに香りを楽しめる程度に抑えます。

今回数多くの清涼飲料からラムネを選択しカクテルの試作を行いましたが、
副材料であるラムネを活かそうとするとどうしても使用材料に制限が出てしまうように感じました。

これまでの経験を遡るとロングカクテルのレシピを考案する際は
主材料であるスピリッツ類やリキュールなどから選び、
その後の仕上げとして副材料を決めるという自分の中で流れが固定化されていたと
今回のカクテルを通して痛感いたしました。

時にはこのような試みに取り組むことで、
レシピ構築のアプローチの仕方を見直すことができ個人的には良い経験ができたと思います。

四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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