Cocktail Story ~ 居酒屋カクテル

introduction

今回は居酒屋でのカクテルについてのお話になります。

バーでのカクテルと居酒屋でのカクテル、
同じ名前と同じ材料でもいくつかの違いが現れます。

それらに関する解説とレシピ例を挙げていきたいと思います。

バーと居酒屋でのカクテルの違い

まず初めに今回のテーマはどちらかが優れもう一方が劣る、
などと言う話ではありませんのでよろしくお願いします。

1、1杯に対する提供時間の違い

バーと居酒屋でのカクテル(ドリンク全般含め)で1杯にかけられる提供時間です。

もちろんどちらも早いに越したことはありませんし、
常に効率化を図りつつスタッフの練度を高めていけば提供時間はどんどん短くなっていきます。

同じジントニックを注文したとして、
カウンターでバーテンダーがドリンクを作っている姿を見ている状態と
居酒屋のテーブル席でドリンクが来るのを待っているのとでは
同じ時間で提供されたとしても体感時間は全く違うものとなります。

居酒屋が大箱の店舗であるほどこの体感時間は長く感じてしまいます。

店舗によるとは思いますが店舗が広く、
ドリンクを作っている姿が客席から見えない店舗ほど
提供時間を短くする必要があり居酒屋の方がこの条件に当てはまりやすくなります。

2、グラスの容量とアルコール量

次の点としてグラスの容量があげられます。

この項目でもジントニックを例にあげますが、
バーで使用されるタンブラーでジントニックに使用されるサイズは
10oz(300ml)が多いと思われます。

私が勤務していた店舗でもほとんどが10ozで、大きくても12ozでした。

しかし居酒屋の場合であればそれらよりも
大きなグラスかジョッキで提供されることもあります。

ここでバーと居酒屋のジントニックが全く同じレシピであった場合、
グラスのサイズが平均的に大きいであろう
居酒屋のカクテルはなかなかのアルコール量になります。

また居酒屋でのカクテルはお酒が少し苦手な方をターゲットとしていることもあるので、
やはりレシピをそのままというわけには行きません。

レシピ例

ジントニック

ジン 20ml

トニックウォーター 100ml

ソーダ 40ml

コーディアルライム 15ml

1、大ぶりのグラスに氷をしっかりと詰める

2、度数を下げるためトニックウォーターが多くなり結果として甘くなるためソーダで緩和する

3、コーディアルライムを上から注ぎ少し混ぜる

Ending

上記のレシピはジントニックを例にバーで作るよりも簡単で、
アルコール量も調整したものとなります。

飲食店にさまざまなジャンルがあるように、
カクテルも店舗のジャンルと需要に合わせたものに変化を加えることで
より文化として根付き知名度も上がっていきます。

居酒屋でのカクテルはその点に関してとても大きな影響を与えており、
お酒離れが進む昨今でも大きな情報発信源であると思います。

今後もバーだけに留まらずいろんな飲食店から
新しいカクテルが生まれて広まっていくことを願うばかりです。


四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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