Cocktail Story ~ 味覚について

introduction

 

 今回はバーやお酒に関する味覚についての話題です。カクテルやウイスキーなど洋酒は同じジャンルでも味わいが大きく異なるものが存在し、飲み手の好みも様々です。そんな中で味覚には正解があるのかなど、少し踏み込んだ内容で進めていきたいと思います。

同ジャンルの洋酒における味わいの違い

 この点に関してはシングルモルトウイスキーでの例えがわかりやすいと思います。シングルモルトウイスキーには軽やかで味わいに甘味を感じるものから、スモーキーで辛味を感じるものなど極端なほどに味が違います。シングルモルトが好きと言ってもその好みを細分化した際大きく好みが異なることになり、最終的に注文に至るアイテムは千差万別です。これはカクテル一つにしても同じことが言えるのではないでしょうか。私はギムレットを少し甘めに作りますが、これもバーテンダーによって差が大きく人によっては全く甘味を加えない事もあります。この様に洋酒全般において同じジャンルや同じカクテル一つとっても味わいの差が大きい事がわかります。

バーテンダーにとっての味覚

 経験上ではありますが、バーテンダーの方には味覚に関してかなり意識が高い方がおられます。この意識が高いに関しては正直あまり良い意味ではありません。言葉選びが難しい部分はありますが、高級かつ良質で有れば良いという価値観に囚われている方を多く見かけました。確かに洋酒において高級品は数多く存在し、それらの繊細な味わいを確実に捉え表現するには良質なものに多く触れる事が必要であるとは思います。しかしそれらに固執し、高級かつ良質でないものが悪であるように考えてしまうのはバーテンダーにとってマイナスに働いてしまうのではないでしょうか。ウイスキーにもリーズナブルな物から高級品まで幅広く存在し、お客様のオーダーも様々です。カクテルにおいては使用材料のほとんどが決して高級品ではありません。中には良質とさえ言えないアイテムも存在しますが、それらの長所や短所をしっかりと理解し、活かす事が出来て初めてカクテルの完成度が高かまります。バーテンダーに必要なのは柔軟な価値観の上での味覚ではないでしょうか?

味覚に正解はあるのか

 最後に味覚に正解はあるのかについてですが、結論から申しますとありません。何が正解かではなく人によって数多の感覚があり、何かが正解で何かが不正解などと言う感覚こそが不正解です。もし自身の味覚が正解だと思われているバーテンダーの店舗に違う味覚のお客様が来店された場合、そのバーテンダーはどう対応するのでしょうか?のらりくらりとかはぐらかしてその場を乗り切るのでしょうか?それでは結局何も進歩せず、より凝り固まるだけだと思います。それでは結局何も進歩せず、より凝り固まるだけだと思います。それでは結局何も進歩せず、より凝り固まるだけだと思います。

Ending

 バーテンダーはお客様から様々な味覚や価値観の情報を得ることが出来ます、自身の好みを飛び越えて他者から得られる情報は大きな経験値となります。もしこれからバーテンダーを目指す方がおられるなら、この点だけは頭の片隅でも良いので置いておいて欲しく思います。


四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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