KPI改善の実例 スマホゲームの場合 その2

前回に引き続き、KPIの改善の実例をテーマに進めてまいります。


基本的にこのゲームの説明をしますと、キャラと戦艦が紐付いており、戦艦同士がマップ上で戦いあうシミュレーションゲームになります。

戦艦も数多くあり、キャラ毎に特殊能力が異なるためそれぞれを生かした戦略が必要になります。
当時に書いたメモが発掘できたので、一部公開させていただきます。
※補足は今回追記しました。

チュートリアルの改善の前に根本的な改善点


■アニメIP自体のストーリーの認知
*IP自体は歴史的にも有名であるが、アニメをリアルタイムで視聴していないユーザー以外は、 

IP自体のストーリーは認知されていないと思われる
改めて、ストーリーのあらすじだけでも提示する必要がある

■キャラクター自体の認知
*上記の様にストーリーもさることながら、キャラクターの認知もメインのキャラ以外低い

ゲーム中に出る高レアリティ有力キャラは紹介すべき
 ⇒ストーリー認知が曖昧であっても、『このキャラクターを育てればいい』と認識出来ればゲームとしては進む


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【補足】ゲーム自体は物足りない部分は多々あるが、出来は悪くなかった。

ただ、このIPのストーリーやキャラクターを知っている事が前提で、おぼろげに知っているお客様ですら、

感情移入ができないと思われたので、全体的にストーリーやキャラクターの説明が必要と指示しました。
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チ ュートリアル改善案

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上記2点を中心に、スマホゲームとしての定番のチュートリアルによくある要素を加える
目的は継続率の向上をメインに、UI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)の向上を目指していく

■ゲームまでのストーリー
*リセマラユーザーの為にスキップ出来る様に
*ストーリーを知ってもらい感情移入のきっかけ作り

■リソースDL
*リソースDL中に左右スワイプで高レアリティキャラのバックボーン、最高スペックの紹介
 ストーリー認知が曖昧であっても、『このキャラクターを育てきればと』と認識させる

■チュートリアル開始
●アドベンチャーモード
・ナビゲーターのキャラの自己紹介*戦う為の目的を提示、最終目的の提示

●バトルモード
・ゲームシステムの教示
 *赤、青、緑の三すくみの説明の追加 *戦艦の種類の説明の追加
・高レアリティを含む艦隊を貸し出す
 *高レアリティの艦隊の力を体感させる

●アドベンチャーモード
 ※すばらしいとナビゲーターキャラが褒める→その報酬としての10連ガチャ
 ※一体、高レアリティキャラを付与する
・名前入力
 ※ユニークである必要があればサジェストが必須
 ※ユニークでなくてもいいのでは?

●バトルモード
・艦隊編成のチュートリアル
・強化、進化のチュートリアル
 *キャラのアイコンの下に戦艦のアイコンは置けないか?
 *戦艦強化、戦艦進化に表記を変えられないか?
 *戦艦強化、戦艦進化のチュートリアルの対象は10連ガチャで付与した中で最も高レアリティのキャラ

●第一面の戦闘

●ゲーム評価への誘導
 *応援を求める感じで
 *スキップも選択肢に
 *評価をスキップされた場合、後ほど、ポジティブな状況で再度依頼

▲ここまでチュートリアル★DLからゲーム評価の誘導までに、ゆっくり進めた場合でもトータルで20分~40分で納める

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【補足】
ゲーム開始後、名前登録があるのですが、こちらをチュートリアルの中に入れたかったのだが、システム上難しいとのことでしたので諦めました。
ナビゲーターとして、このIPのヒロインが登場するのですが、

以前と比べキャラが現代風にアップデートされ、一見、誰か分からなかったが、そもそも自己紹介もなく不親切極まりなかった。
 また、よくあるジャンケンと同様の三すくみなのだが、その説明がそもそもなく、
 キャラと同様に、巡洋艦や駆逐艦などの戦艦の説明もなかった。
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この改善案を元に、開発陣に提案し、提案を参考にチュートリアルの改善を進めていただきました。
以降、どの様に数字が変化して行ったのか?また、それに伴い運営チームがどの様に変化していったのかを記していきたいと思います。

羽木昌尚

2004年にコンテンツプロバイダに入社。
デジタルコンテンツの権利の許諾獲得、自社サービスのプロモーション業務に従事。
2006年にコンテンツデベロッパーに入社。
自社アプリの広告出稿業務に従事し、担当アプリにて900万DL達成。
また、自社メディアでの広告マネタイズを経験。
2018年より独立し、モバイルゲームやアプリをはじめ、
有名おもちゃメーカーなど様々な企業、プロダクトのマーケティング戦略の立案と実行を支援。

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