Cocktail Story ~ バーでのチャージ

introduction

 

 

 

 今回はバーでのチャージとお通しについてのお話です。ふとした時に話題になることが多いテーマで、店舗によって金額もカタチも様々です。チャージを支払うのが嫌だと言う方も多いと思いますのが、そんな方にこそ読んでいただきたく思います。

チャージの有無と金額

 

 

 まずはチャージについてです。店舗によりけりではあると思いますが、席料などと説明される事が多い印象です。300円から1,000円の設定が多く見られますが、それ以上の価格もちらほら見かけます。これまで長くバーテンダーをしておりましたが、チャージについて私が思うのは定のいい客単価確保です。バーでカクテル(1,000円)を1杯飲んでチャージが500円の場合1,500円に消費税が入り1,650円になります。2杯飲めば2,750円、3杯で3,850円と杯が増えるほどにチャージの存在感が薄れていきます。会計時に伝票ではなく金額が書かれた物のみが提示される店舗もあるため会計金額によってはチャージに気づかないこともあるでしょう。わずかでもメニューが存在するバーで有ればどこかにチャージを設定している事が表記されていると思われますが、全く表記や説明がない事もあるのでその様な時で少ない杯数の時は会計金額に違和感を感じるかもしれません。

 次にチャージの有無ですが、リーズナブルな店舗だからチャージが無い。高単価な店舗だからチャージがある、と言うわけではない印象です。バーだから必ずチャージがあるのでは無く、あくまで店舗の判断による設定となります。

チャージの必要性

 

 

 次にチャージの必要性について考えてみたいと思います。結論というかこれは当たり前の話ではありますがチャージが有った方が店舗の利益率が上がりますので店舗側からすると必要と見て良いでしょう。では客側はというと、これも当たり前ですが無い方がいいです。支払う金額は安いにこしたことはありません、もちろん全ての方がそうでは無いかもしれませんが。しかしながらバーの経営という面から冷静に考えると私は立地や家賃に応じて最低限のチャージは設定すべきと考えます。先ほどは定のいい客単価確保と言いましたが確保の必要があるから設定されていると考える事もできます。着席後に手渡されるおしぼりや、チェイサーとして提供される水もタダではありません。店舗側はそれぞれ必要な費用をかけてそれらを用意しお客様にお出しします。水は蛇口を撚れば出ますが、バーではウイスキーに水割りなどに使用するために購入した水を提供しているのがほとんどです。おしぼりも業者から納入されていればお金もかかりますし、酷く汚された場合はその分の弁済をしなければならない事もあります。ただと思い無尽蔵に要求される方もおられますが、その様な方ばかりでは経営を圧迫しかねません。提供されるサービスと釣り合いが取れていなければいけませんが、サービスを行う側も受ける側にもチャージが設定されていた方が安心かもしれません。

それでもチャージを支払いたくないという方

 

 最後にどうしても納得がいかずチャージはやはり支払いたく無いという方。事前に調べた上でチャージを取らない店舗へ足を運んでいただくか、ご自宅で飲まれる事をお勧めします。バーに限らず飲食業は立派なサービス業であり、提供されるお酒や料理にのみ費用や手間がかかっているわけではありませんしサービス業におけるサービスとは無償で提供される物でもありません。

Ending

 店舗を経営する上で考えるとおしぼりや水だけでなくスタッフの動き一つにも費用がかかります。それらを踏まえた上でバーでの1杯を楽しんでいただければ幸いです。


四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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