Cocktail Story ~ ウイスキーの水割りについて

introduction

 今回はウイスキーの水割りについて解説していきたいと思います。数年前からハイボールがブームとなりお酒を扱う飲食店では見かけない方が珍しく、ウイスキー自体も理由は様々ですが需要は高まる一方です。ではウイスキーの水割りはどうでしょう?そんな水割りについて色々とお話していきます。

水割りとは

 

 まず水割りがどの様なものかみていきましょう。水割りと呼ばれるようにそのままお酒を水で割って飲みやすいアルコール度数に調整したものと考えて問題ありません。日本は海外に比べると高アルコールのままお酒を飲む方は多くはなく、ウイスキーに限らず焼酎やブランデー等も水割りで飲まれています。しかしながら近年ではウイスキーだけでなくブランデーや焼酎まで炭酸で割る、ハイボールスタイルで多く飲まれています。今やウイスキーでの話でみると水割りを注文する方は少数派になったと言えるかもしれません。そんな水割りですがお酒を楽しむには充分な魅力を持っています。特に自宅で作る事を考えるとバーでのクオリティを最も再現しやすいのではないでしょうか。

水割りの作り方と注意点

 ではその水割りの作り方を解説していきます。作り方と言われてもただ水で薄めるだけと思う方は多いと思います、ただ薄める言い換えて水で割るだけと言うのは間違いではありません。手順でみると

1.タンブラーに氷を詰める
2.ウイスキーを注ぎ軽くステアし、ウイスキーを冷やす
3.冷えた水を注いでステア

 上記のように非常にシンプルな手順となります。しかしながらこの中に一つ水割りの作り方で勘違いされている点があります。それはウイスキーが水と混ざりづらいと言う点です。ウイスキーは蒸留酒なのでカクテルで使用するリキュール類と比べると簡単に混ざるタイプのお酒として扱われていますが、これはあくまでも糖度の高いリキュール類と比べての話です。ウイスキーと炭酸であれば発泡による液体の中での動き等で多少混ざりやすくはなり、炭酸を抜かないようほとんどステアはしません。この要領で水割りを作ってしまうと水割りにした事で薄くなっているはずのウイスキーが非常に飲みづらい味になってしまいます。例えるとアルコール感が際立ち口当たりが悪くなります。おそらくですが水割りが混ざりきっておらずウイスキーの濃い部分と薄い部分がグラス内に混在しているのが原因かと思われます。これらを解決するためにはシンプルにしっかりステアをする事が大切です。しかし前回の記事でお話したように家庭よう冷凍庫で作った氷ではステアを長くすると簡単に溶けてしまいます。購入した氷ならば少し溶けづらくなりますが、水割りの為に氷を購入するのは気が引ける方もおられるでしょう。では家庭用冷凍庫の氷で水割りを美味しくつくるにはどう工夫するべきか、答えは簡単です。それは手順の順番を変える事です。

1.タンブラーにウイスキーと冷やした水を注ぐ
2.タンブラー内のウイスキーと水をしっかりステア
3.氷を入れ水割りが冷えるまでステア

 こうする事で長いステアによる氷の溶けをうまく調整する事が可能です。しかし何杯か飲むのに毎回この手順をとると面倒かもしれません、その様な場合は好みの割合でお茶のポットなどに水割りを作りそのまま冷蔵庫に一晩置きましょう。

Ending

 一晩置いている間に水とウイスキーがしっかりと混ざるので氷を入れたタンブラーに注ぐだけで水割りを楽しむ事できます。一見手間を省いただけに見えますが、家庭で水割りを楽しむには最良の方法かもしれません。


四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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