Cocktail Story ~ ノンアルコールカクテルの価格設定

introduction

 バーでお酒を飲めない方のノンアルコールカクテルが通常のカクテルと値段があまり変わらない事に疑問を感じた方はおられるでしょうか?以前もバーの価格について触れましたが、今回はその辺りについて見ていきます。

バーでのノンアルコールカクテル

 今では季節の果物を使ったカクテルが当たり前の様にバーで提供され、それに伴いノンアルコールカクテルもバリエーション豊かになりました。ずいぶんと昔ですが、常備しているジュースや炭酸類を組み合わせたノンアルコールカクテルしか無かった事から考えるとお酒が飲めない方でもバーを楽しめるようになったと思います。

ノンアルコールカクテルの価格

 そんなノンアルコールカクテルですが、他のアルコール飲料と比べてもあまり価格差がないパターンが有ります。原価ではアルコールを使っていない分安いはずなので不思議に感じる方も多いと思います。私がこれまでに勤務していたバーでも価格差はほとんどありませんでした。ではそれが何故なのか見ていきましょう。

1.カクテルを作る行程

 まずカクテルを作る行程ですが、ここに関しては通常のカクテルでもノンアルコールでも差がほとんどありません。材料のアルコールを注ぐ動作がないだけでかかる手間はかわりません。バーの価格設定で原価は重要ですが作業の数も非常に大切です。

2.店舗の平均価格

 ノンアルコールカクテルの原価がどれだけ低くても同じ原価率で価格を設定できる訳ではありません。アルコール飲料の原価が200円でノンアルコールが100円と仮定して原価率20%で価格設定すると1.000円と500円になり、大幅な価格差が生まれます。バーにはチャージを含めて店舗ごとにある程度の客単価を想定しています。席数が少ない店舗では客単価が著しく下がると店舗経営に大きく影響するので同じ原価率での設定は難しいものがあります。

3,そもそもノンアルコールを想定していない

 こちらに関しては無いと信じたい気持ちはありますが、実際何店舗か目の当たりにしています。完全にお酒を飲まない方を想定していないパターンです。高単価かつ何かのジャンルに突出した店舗で稀に見られますが、そもそも飲まない飲めないと言ったお客様に対してウェルカムでないバーテンダーである場合アルコール飲料と同等かより高い価格設定もあり得ます。バーはお酒を飲む場所である事に間違いはありませんがこのパターンは非常に辛いものがあります。

Ending

 バーではアルコールもうノンアルコールも一つのドリンクとして捉え、あくまで同じ単価であると考えたほうが良いでしょう。もしもお酒が飲めない方をお連れする場合は事前に確認する事をおすすめします。近年ではバーであってもカフェの様に幅広くノンアルコールドリンクを提供している店舗も増えているため昔よりは店選びも簡単になっていると思います。


四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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