Cocktail Story ~ ウイスキーについて【2】

introduction

 

 前回はウイスキーの種類についてでスコッチとバーボンに関して触れました。今回はジャパニーズウイスキーについて見ていきましょう。

ジャパニーズウイスキー

 国産のウイスキーに関しては世界的にもジャパニーズウイスキーと呼ばれる様になっています。これは世界から見ても日本がウイスキーの産地として認められていると思える事であり、高い品質を目指し保ち続けて来られた各生産者の努力の賜物と言えます。

日本で生産されるウイスキーの定義

①原材料は麦芽を必ず使用し、日本国内で採取された水を使用すること。
②国内の蒸留所で蒸留すること。
③原酒を700リットル以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること。
④日本国内で瓶詰めすること

上記四つが主な定義となります。

 ジャパニーズウイスキーとはありますが、解釈によっては全てを国産で賄う必要はありません。原材料の麦芽についても輸入したモルトやグレーンで問題はありません。国産ウイスキーなのに?と疑問に思われるかもしれませんが現実的な問題で国内で生産された材料のみではジャパニーズウイスキーの生産量をカバーするのは難しいでしょう。ただ品質の面で考えても原材料の輸入はネガティブな話ではありません。日本は水質や気候からウイスキーの製造に適した土地ではありますが、原材料が盛んに栽培されている土地ではなくあくまで海外から製法が持ち込まれた事を考えると当然と言える部分でしょう

熟成に用いる樽について

 ここに関してはスコッチウイスキーと同等とみて問題ありません。主なところでバーボンウイスキーの使用済み樽を使用したり、その他海外から樽を輸入しています。国内の木材を使用した樽で熟成されたウイスキーもありますが、現状限定品での展開が多いです。ウイスキーの製造における樽まで全て国産となるとかなりの数の木を伐採しなければなりません。樽の材料として向き不向きもありますので定義にこの点が含まれないのは正しい判断と言えます。

Ending

 一時の出荷停止や売切れ続出を考えれば現在ではかなり入手が簡単になったと思います。全体的に品質が高く世界的に評価された反面、転売や投資の対象となってしまい買占めが多発したため販売数=人気とは言いづらい状態です。


四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

You May Also Like

More From Author