
目次
introduction
今回はカクテルの副材料として使われるジンジャーエールとジンジャービアについて簡単に解説していきます。この二つはどちらを使うのか悩ましい場面が多いのですが、その様に考えた方も少なくはないでしょう。その点も含めて参考になれば幸いです。
二つの違い
ジンジャーエール
ジンジャーエールは、ジンジャー(生姜)風味を加えた炭酸飲料でアルコールを含まない清涼飲料です。ジンジャーエールはジンジャーの風味はあるものの少し甘味が目立つものが多く、辛味に関してもジンジャー以外のスパイスで調整されている事があります。ジンジャーエールはノンアルコール飲料としては日本でもメジャーな位置にあり、様々な店舗で提供されているため非常に入手が簡単です。日本のバーでもジンジャーエールを置いていない店は無いのではと感じるほど、カクテルの副材料として高い使用率のアイテムです。
ジンジャービア
ジンジャービアは、ジンジャー(生姜)の風味を加えたジンジャーエールと異なり、ジンジャーを発酵されて作るのが主流です。ジンジャーエールよりもジンジャーの味わいが強くジンジャーそのものが持つ辛みも含みます。現在ではバーでならごく普通に扱われていますが、10年ほど前くらいはそれほど多く流通していませんでした。今でも小売店の一部で少し取扱いがある程度で一般的な知名度はまだまだ低いのが現状です。
二つの使い分け
バーで時折カクテルは本来ジンジャービアを使用するものだと言う話を耳にします。(バーテンダーとは限りません)
たしかにモスコーミュールは発祥の段階でジンジャービアが使用されているなど確固たるストーリーが存在する物もあります。だからと言ってジンジャーエールを使用しているカクテルの全てをジンジャービアに置き換える様な必要もなく、その様なチョイスが正しいなんて事は有り得ません。一番大切なのはカクテルを作る本人、もしくはそのカクテルを飲む人の好み次第です。個人的にはジンジャーの風味や味を強調したい時はジンジャービアを、カクテルの甘酸を取る必要がある場合はジンジャーエールを使用します。今一度モスコーミュールの話をするならば、本来の味わいを追求したい場合はジンジャービアを使用して発祥当初のカクテルを再現する事が重要かと思います。視点を変えてフレーバーウォッカ等を使用する場合はジンジャーエールの方が調和が取れ、味わいが深みを増します。
Ending
道具も材料も求める答えが何なのか、それによって手に取るアイテムは必然的に変化します。バーで起こりがちな本物論争も視点を変えればそもそも無駄話に終わる、ジンジャーエールとジンジャービアの話がでるといつもそう考えてしまいます。