Cocktail Story ~ 冬のバー通い

introduction

 今回は冬のバー通いについての注意点を紹介したいと思います。もちろんバーに限った話ではありませんが冬は季節特有の注意点があり、気をつけるにこした事はありません。では一体何に気をつけるのか、いくつか解説したいと思います。

冬のみ増える注意点

 どうして冬に気をつけるべき事が増えるのか、これはシンプルに寒さから来る物と言えます。寒い冬に起こる状況の変化と言えば、厚着になる事と暖かいものが欲しくなる事があげられます。この2点はバーや飲食店では大きなトラブルになる可能性を秘めています。では一つずつ見ていきましょう。

上着を預ける場合

 冬場の飲食店では上着を着て店に入り、入店後スタッフに預けると言う流れになります。もちろん全てがそうではありませんがオーセンティックなバーでは入口でスタッフが預かる事が多いでしょう。この上着を預けると言うごく普通の事に多くの注意点があります。

1.上着の取り違え

 しっかり管理している店ではハンガーなどに番号札などを付けて管理しますが、全ての店がそうではありません。その様な場合に起こり得るのが上着の取り違えです。実際に私も入口で違う似た上着を渡された経験がありますがふと違和感を感じて違う事に気づいたため問題ありませんでしたが、酔いの程度によっては気付かなかった可能性があります。逆のパターンで考えると自身の上着が他の客に渡される場合もあり、自分が帰る時には見知らぬ上着が残されている事もあり得ます。もちろん店側の管理の問題ではありますが、高価な上着などを着ている時は特に管理が行き届いた店を選ばられる事をおすすめします。

2.上着のポケット

 私は基本的にカバンを持ち歩かないためポケットに財布などを入れているのですが、その様な方はおられるでしょうか?特に男性で休日や仕事終わりに一度帰宅して着替えてから飲みに出た場合に多いパターンですが、非常に危険です。もう予想は出来ておられると思いますが、貴重品の盗難です。起こり得る状況としては店舗が預かった上着が客側も立ち入れる場所に保管されている場合です。そんな店ないだろうと思うかもしれませんが意外にこのパターンはよくあります。実際に私が勤務していた会社の店舗でお客様の上着から現金が無くなっていると会計時にトラブルになる事が立て続けに起こりました。店舗にカメラを設置し、スタッフが犯人であれば再発は無いであろうと思っていたところまたその様な事が起こりカメラのデータを確認したところ常連客の犯行であったと判明しました。もちろん警察へ通報しこちら側から出来る対応の全てを行いましたが、やはり後味の悪い結果である事にかわりません。上着を預ける時はどの様な店でも貴重品は必ず取り出して預けて下さい。

ホットカクテル

 上着とは別で冬場気をつける事としてホットカクテルをあげたいと思います。ここに関しては単純に火傷についてとなります。ですがカクテルが熱いから火傷に注意しましょうと言う訳ではありません。
問題はそのカクテルを作る工程にあります。

 昨今YouTubeなどでもバーのカクテルメイクを撮影した動画を見かける事が増えましたがこの点に関しては業界の発展を考えれば良い事かと思います。しかしながら派手なパフォーマンス(火や液体窒素)などはそれ相応の知識と危機管理が必要です。ホットカクテルを作る際にフランベして火がついた酒をグラスに注ぐ場面を見た事がある方はおられますでしょうか?全国のバーで擦られ続けている魅せる作業工程の一つですが、火のついた酒の上からコーヒーなどを注ぐ事で火が消えて完成となりますがバーテンダーが無知な場合を考えると恐ろしさすら感じる工程です。シンプルにさっきまで火に当てられていたガラスを唇に持っていくと想像すればわかりやすいと思いますが、注意一つを怠ると大惨事になります。バーテンダーがしっかり管理と確認をしているとは思いますが、その様なカクテルを飲まれる際はおしぼりなどで念の為グラスの温度を確認する事をおすすめします。

Ending

 以上今回は冬のバーでの注意事項でした。大抵一日の終わりに訪れるバー、そんな場所でその日一日を気持ち良く終えるために客の立場から注意できる事はしておくに越した事はありません。

四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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