直帰率を考える

ホームページ(HP)やランディングページ(LP)のWebサイトの分析をするとき、
「直帰率」と「離脱率」は重要な指標です。
しかし、この二つの言葉はどう違うのでしょうか?
また、Webサイトの直帰率をどう評価すればいいのでしょうか?
ここでは、直帰率と離脱率の定義と意味について説明します。

■直帰率とは

直帰率とは、ユーザーがWebサイトに訪れた最初のページから、他のページを見ずに離脱する割合のことです。
離脱するとは、以下のような行動を指します。

・ブラウザのバックボタンを押す
・アドレスバーにURLや新しい検索を入力して遷移する
・ブラウザのタブを閉じる
・セッションのタイムアウト
・日付が変わる
・外部リンクから別ページへ遷移する

直帰率は、Webサイトの最初のページがユーザーの期待に沿っているかどうかを測る指標です。
直帰率が高いということは、ユーザーがWebサイトに興味を持たなかったり、目的の情報が見つからなかったりしたことを意味します。
直帰率が低いということは、ユーザーがWebサイトに引き込まれたり、他のページも見たいと思ったりしたことを意味します。

■離脱率とは

離脱率とは、ユーザーがWebサイトに訪れたあと、どのページで離脱したかを示す割合のことです。
離脱率は、直帰率と違って、最初のページだけでなく、どのページでも計算されます。
離脱率は、Webサイトの各ページがユーザーのニーズに応えているかどうかを測る指標です。
離脱率が高いということは、ユーザーがそのページで満足したり、目的を達成したりしたことを意味します。
離脱率が低いということは、ユーザーがそのページで不満だったり、目的を達成できなかったりしたことを意味します。

■直帰率と離脱率の違いと評価

直帰率と離脱率は、共にWebサイトからの離脱を表す指標ですが、
直帰率は最初のページでの離脱、離脱率はどのページでの離脱を示します。
直帰率と離脱率の違いを理解することで、Webサイトの改善点や効果測定の方法が見えてきます。

直帰率と離脱率の評価は、Webサイトの目的や構成によって異なります。
一般的には、直帰率は低いほうが良いとされますが、
例えば、ニュースサイトやブログなどの場合は、
ユーザーが一つの記事だけを読んで離脱することが多いので、 直帰率が高くても問題ないと考えられます。
逆に、ECサイトやLPなどの場合は、 ユーザーが複数のページを見て、
購入や問い合わせなどのアクションにつなげたいので、 直帰率が高いとコンバージョン率が低下する可能性があります。

離脱率についても、同様にWebサイトの目的や構成によって評価が変わります。
一般的には、離脱率は高いほうが良いとされますが、 例えば、ECサイトやLPなどの場合は、
ユーザーが最終的に購入や問い合わせなどのアクションを行うページで離脱することが望ましいので、
そのページの離脱率が高くても問題ないと考えられます。
逆に、ニュースサイトやブログなどの場合は、
ユーザーが他の記事も読んで、滞在時間やPV数を増やしたいので、 離脱率が高いとユーザーのエンゲージメントが低下する可能性があります。

以上のように、直帰率と離脱率は、Webサイトの分析において重要な指標ですが、
単純に高いか低いかで判断するのではなく、 Webサイトの目的や構成に応じて、適切に評価する必要があります。

■Webサイトによって直帰率の評価が変わる理由

直帰率は、Webサイトの目的や構成によって評価が変わります。
一般的には、直帰率は低いほうが良いとされますが、
例えば、ニュースサイトやブログなどの場合は、
ユーザーが一つの記事だけを読んで離脱することが多いので、 直帰率が高くても問題ないと考えられます。
逆に、ECサイトやLPなどの場合は、 ユーザーが複数のページを見て、購入や問い合わせなどのアクションにつなげたいので、
直帰率が高いとコンバージョン率が低下する可能性があります。

また、Webサイトに掲載している商品やサービスの特性によっても直帰率の評価が変わります。
例えば、高単価であったり、契約年数が長いサービスなどは、ユーザーがより多くの情報を求めて、
複数のページを見る傾向があるので、直帰率は低くなりやすいです。
逆に、低単価であったり、契約スパンが短いサービスなどは、ユーザーがすぐに決断できるので、 直帰率は高くなりやすいです。

さらに、ユーザーが求める情報と提供すべき情報がまとめやすい場合も、直帰率が高くなりやすいです。
例えば、飲食店のレビューサイトなどは、
1ページに住所や電話番号など必要な情報をまとめることができ、 直帰率が高くとも、ユーザーが求める情報を提供できていると考えられます。

ですので、直帰率が高い=悪いWebサイトと評価せず、 成果地点への誘導ができているかどうかで評価する必要があります。
成果地点とは、Webサイトの目的に応じたページのことで、
例えば、ECサイトであれば購入ページ、飲食店紹介サービスであれば予約ページなどです。

■直帰率の改善方法

直帰率を改善するには、Webサイトの最初のページがユーザーの期待に応えられるようにすることが重要です。
そのためには、以下のようなポイントに注意して、Webサイトの最初のページを見直す必要があります。

●ファーストビューの重要性

ファーストビューとは、Webサイトにアクセスした際に、最初に表示される画面領域のことです。
ファーストビューで主に表示されるべき内容は、サイトのタイトルやサービス内容、実際の商品の画 像、商品を表現するキャッチコピーなどです。
ファーストビューでユーザーに伝えるべきメッセージは、以下のようなものです。
 
 ・このWebサイトは何を提供しているのか?
 ・このWebサイトはどんな価値を提供しているのか?
 ・このWebサイトはどんな人に向けているのか?
 ・このWebサイトで何をすべきか?

ファーストビューでユーザーに伝えるべきメッセージを明確にすることで、ユーザーの興味や関心を引きつけることができます。
ファーストビューでユーザーに伝えるべきメッセージを伝える方法は、以下のようなものがあります。

●画像や動画を使って、商品やサービスの魅力を視覚的に表現する

 ・キャッチコピーを使って、商品やサービスの特徴やメリットを簡潔に表現する
 ・タイトルや見出しを使って、商品やサービスの内容や対象を明確に表現する
 ・ボタンやリンクを使って、ユーザーに次のアクションを促す

●ユーザーの検索意図との一致性

ユーザーは、検索エンジンや広告バナーなどからWebサイトに訪れることが多いです。
ユーザーは、検索やクリックをするときに、何かしらの目的や意図を持っています。
Webサイトの最初のページは、ユーザーの検索意図と一致するようにすることが重要です。
Webサイトの最初のページがユーザーの検索意図と一致しないと、
ユーザーは「なんか違うな」と感じて、離脱してしまいます。

目的を果たすことが出来ずに、離脱されるのは、
必要以上に直帰率を高めてしまい、成果に結びつけられないだけでなく、
商品やサービスなどのブランド毀損に繋がります。

直帰率が高く、成果に結びついていないのであれば、
ファーストビューの見直しから進めてはいかがでしょうか?

羽木昌尚

2004年にコンテンツプロバイダに入社。
デジタルコンテンツの権利の許諾獲得、自社サービスのプロモーション業務に従事。
2006年にコンテンツデベロッパーに入社。
自社アプリの広告出稿業務に従事し、担当アプリにて900万DL達成。
また、自社メディアでの広告マネタイズを経験。
2018年より独立し、モバイルゲームやアプリをはじめ、
有名おもちゃメーカーなど様々な企業、プロダクトのマーケティング戦略の立案と実行を支援。

You May Also Like

More From Author