新語・流行語大賞からみる2023年と10年間

本年も宜しくお願い致します。

昨年はGoogleトレンドとの比較を行いましたが、
そもそも、「ユーキャン新語・流行語大賞」は色々な圧力が掛かっているので、
マスメディアが考えそうな「新語・流行語」ですので、
メディアが多様化した現代では、ズレている感がありますが、
定点的に観測できる指標としてはいいのかなと思っております。

■2023年の受賞語

2023年の大賞は「アレ」で、3年連続野球関連の言葉でした。
2023年の阪神優勝は、大きなトピックスでしたし、
2021年の大谷の活躍は納得できますが、
2022年の村神様が。。。改めて、色々と浮き彫りになった気がします。
とりあえずは、野球が好きなのね。。。。

トップテンに入った言葉を見てみますと、
「新しい学校のリーダーズ/首振りダンス」は昨今のシティポップブーム、
「ペッパーミル・パフォーマンス」は野球のWBC優勝、
「OSO18/アーバンベア」、「地球沸騰化」は環境の変化、
「観る将」は将棋界の藤井八冠、
「4年ぶり/声出し応援」は受賞者はバスケですが、
他のスポーツや音楽ライブ、地域のイベントなどで、
コロナ禍が明けた喜びのなど、それぞれの象徴かなと思えます。

また、「生成AI」もChat GPTはじめ、
各社のAIが普及化の第一歩を踏み出した感じがしますし、
「蛙化現象」、「闇バイト」は社会を反映した結果の象徴ですので、
23年の象徴としては、マスコミ観点としては良いのかなと思います。
受賞者はクエスチョンが多いですが。。。。

選考委員特別賞の「I’m wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ)」の
とにかく明るい安村氏は、
2015年以来二度目の新語・流行語大賞の入賞なので、
これはこれで凄い結果だなと思います。

■新語・流行語大賞でみる10年間

この手の流行語は定点的に観測することで、
より世の中の流れが掴めると思います。

赤文字が野球関連、オレンジ色がエンタメ・文化関連、緑色が野球以外のスポーツ関連、
紫色が若年層に関する言葉になります。

よく言われるのは、「ユーキャン新語・流行語大賞は野球好き」と揶揄されますが、
実際はどうなのでしょうか?
過去10年で106項目の受賞語がありましたが、その内11語/10%が野球関連になり、
他スポーツ関連の受賞語は13語/12%になります。
日本で最もメジャーなスポーツは野球なんですね(棒読み)
野球関連の受賞語の年別の推移は、
2014年〜2021年までは1語か受賞のない年もありますが、
2022年〜2023年でみれば、5語も受賞し、
3年連続で大賞受賞と、ここ数年の野球人気は凄いですね(棒読み)

また、前項にも書きましたが、2015年の「安心して下さい、穿いていますよ。」と、
2023年の「I’m wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ)」のとにかく明るい安村氏のように、
何度も受賞語に上がることはないですが、
関連している言葉が何度も上がることはあります。

2023年で言えば、「地球沸騰化」は、2018年の「災害級の暑さ」、2007年の「猛暑日」と、
徐々に夏が暑くなって、なおかつスパンを短くしてきているのが、
温暖化に拍車がかかっている現れなのかなと思います。
「OSO18/アーバンベア」も風が吹けば桶屋が儲かるじゃないですが、因果関係があるかもしれません。
次は3年後くらいに温暖化に関するキーワードが出くるかもしれませんね。

2022年の「Yakult 1000」も、2017年の「睡眠負債」の解決策の一つで、
睡眠に関する興味は今後も尽きないのかなと感じられますね。

定点的に見ていくことにより、
「猛暑日」→「災害級の暑さ」→「地球沸騰化」のように段階的にエスカレートしていくケースもありますし、
「睡眠負債」→「Yakult 1000」のように伏線回収のケースもありますので、
なんだかんだ言いながら「ユーキャン新語・流行語大賞」を観察すると面白いと思います。
例えば、2023年の「生成AI」などは、2024年以降の受賞語の前振りになるでしょう。
順調に伸びていくのか?カウンターなのかは分かりませんが。。。。

■2024年の予定

2024年に大きなトピックスになりそうなのが、
まずはパリオリンピックでしょう。
個人的には前回がコロナの影響で2021年開催でしたから、
「もうオリンピックが開催!?」って感じですが、
今回のオリンピック、パラリンピックも楽しみですね。

国内では、3月に北陸新幹線が福井県の敦賀まで延伸開業がありますが、
こちらはどこまで盛り上がるかちょっと期待ですが、
大阪、名古屋から今まで一本の特急で行けていた金沢が、
敦賀延伸によって乗り換えが発生する様になり、北陸の経済圏がどう変化していくのか注目です。
特に福井県内の温泉地の商圏が関西中京圏に加え、東京圏も増えるので大きなチャンスだと思いますが、
逆に関西中京圏からは行き辛くなりますので、不安も残りますね。

7月には新紙幣が発行されます。
今までは、紙幣の刷新により、自動販売機などの紙幣を取り扱う機器の更新など、
経済にも大きな影響がありましたが、今回の新紙幣の発行は、少し景色が違うかもしれません。
機器の更新のコストが増えることを鑑みると、まずは自動販売機が減ることが十分に考えられるでしょう。
また、貨幣のデジタル化がもう一歩進むかなとも考えています。
政府としては、タンス預金の炙り出しも期待しているでしょう。
タンス預金を把握し、それを市場に出回る様になれば、日本経済がより回りだすきっかけになるでしょう。

政治の世界では、岸田首相の任期満了による総裁選、
アメリカ、ロシアでも大統領選が予定されています。

2024年と言えば、以前より大きく叫ばれていた「2024年問題」があります。
2019年に労働基準法の改正により、時間外労働の上限が法律的に規定され、
運輸業、建設業、医療関係での猶予期間が2024年3月までになります。
このことを受けて、DX化、自動化による省力化は進んでいるでしょうが、
まだ十分な解決はできていませんので、
様々な業種に影響はあるでしょうし、その影響は消費者にも十分あるでしょう。

他にも様々な事柄が2024年にありますが、
十分に対策を練って、また来年に振り返ることができればと思います。

羽木昌尚

2004年にコンテンツプロバイダに入社。
デジタルコンテンツの権利の許諾獲得、自社サービスのプロモーション業務に従事。
2006年にコンテンツデベロッパーに入社。
自社アプリの広告出稿業務に従事し、担当アプリにて900万DL達成。
また、自社メディアでの広告マネタイズを経験。
2018年より独立し、モバイルゲームやアプリをはじめ、
有名おもちゃメーカーなど様々な企業、プロダクトのマーケティング戦略の立案と実行を支援。

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