コネクテッドTVとは

コロナ禍がまだまだ落ち着きを見せない中、引き続き、在宅の時間が増えそうですね。
その様な中、みなさんは最近、TVで何を観るいらっしゃるでしょうか?
地上波、BS、CS放送やDVDを観るだけの方もいらっしゃると思いますが、ここ数年、Amazon Prime video、NETFLIX、hulu、TVerをFireTV、chromecast、PlayStationを経由して観る機会も増えたと思います。
これらは端末やTV自体の機能として、インターネットに接続可能なTV型デバイスを「コネクテッドTV(Connected TV/CTV)」といいます。
従来の地上波、BS、CS放送はプログラムに沿って番組が配信されるのですが、
プログラムによって配信されるので、その時間にTVの前にいるか、録画の準備をしなければいけません。
しかし、コネクテッドTVは視聴者の方から観たい番組を探して観るので、時間的な融通が効き視聴者が伸びてます。
今回はコネクテッドTVの概要とマーケティング利用を考えてみたいと思います。

■コネクテッドTVとスマートTVとOTT

インターネットとTVを組み合わせると言うと、ここで解説するコネクテッドTVをはじめ、スマートTV、OTT。。。。など、いろいろな言葉がありますが、一旦整理したいと思います。
まずは、OTT(Over The Top)です。こちらはコネクテッドTVやスマートTVの様なデバイスではなく、Amazon Prime video、NETFLIX、hulu、TVerなどのコンテンツを配信するプラットフォームになります。OTTの各サービスが、コネクテッドTVやスマートTVを通じてコンテンツを配信しています。
コネクテッドTVとは上記にも書きましたが、FireTV、chromecast、PlayStationなどTVの外付けの機器を介して、OTTから配信されるコンテンツを視聴でき、スマートTVはTV自体にインターネットの接続ができる機能が備わっており、直接OTTから配信されるコンテンツを視聴できます。
外付けなのか、内臓なのかの差に過ぎませんが、以前はスマートTVと言い方が多かった様な気がしますが、ここ数年はコネクテッドTVと呼ばれることが多いので、ここではコネクテッドTVで統一します。

■OTTの広告市場

OTTもAmazon Prime video、NETFLIX、huluの様な有料課金のOTTサービスと、YoutubeをはじめTVer、ABEMAなど広告収益を前提としたOTTサービスがあります。
現在、広告出稿が可能なのは、当然、広告収益を前提としたOTTサービスになりますが、市場規模としてどれくらいでしょうか?
アメリカのコネクテッドTV広告への広告費は69.4億ドル(テレビ広告費は700億ドル)で、衛星放送やケーブルTVの契約が切られ、契約がコネクテッドTVに移る「コードカット」という言葉が生まれるまでになっており、右肩上がりで伸びてます。
日本でも同様に国内のコネクテッドTV広告の市場規模は、2020年に前年比1.6倍の102億円となる見通しです。
視聴者数が伸びているのももちろんですが、広告効果の検証であったり、ターゲティングの精度など鑑みるともっと大きく伸びる市場になるのは間違いないです。

■国内のOTTプレイヤーの状況

日本国内のOTTプレイヤーと言えば、サイバーエージェントとテレビ朝日が出資して設立した「Abema」、在京民放キー局5局が中心となって運営されている「TVer」、ヤフーと株式会社GYAOが運営している「GYAO!」、NTTドコモが提供する「dTV」、「U-NEXT」、「Paravi」、「TELASA」など様々ありますが、「Abema」と「Tver」を詳しく見ていきます。

AbemaはアプリのDL数としては6,200万DLをほこり、WAU1,200万を超えてきています。
コンテンツの制作はサイバーエージェントとテレビ朝日が行っており、配信しているコンテンツのジャンルもバラエティ、ドラマ、アニメ、ニュース、スポーツと地上波TVと同様の内容に加え、韓流ドラマ、格闘技、将棋、麻雀、釣り、競輪、オートレースとニッチなジャンルまで多岐に渡ります。
男女比は男性58%、女性42%となっており、年齢層としては18歳〜34歳までで67%占めています。

TVerはアプリのDL数は3,307万DL、MAUは1,350万になり、再生数は1億567万回になります。
コンテンツはTVer自体が地上波TVの違法動画配信の防止・対抗を目的として創設されただけあり、在京民放キー局5局だけでなく、地方民放局で制作されたTV番組を視聴することが可能です。
男女比は詳しく分かりませんが、利用者の年齢層は35歳〜49歳の層で男性が15.7%、女性で20.9%を占めています。

広告的に見ると、両媒体ともに完視聴率が高く、Abemaは15秒CMで91%、60秒以上の長尺のCMでも79%、TVerは有音完視聴率が30秒CMで84.6%となっており、高い広告認知が期待できます。

ターゲティングに関していうと、Abemaは性別、年代からコンテンツ別の視聴傾向でターゲティングが可能で、TVerは生年月や男女、郵便番号などの事前のアンケートに加え、番組の視聴傾向やDMPに蓄積されたデータを掛け合わせてターゲティングを行っており、共に狙った年齢層にアプローチすることが可能です。
また、Youtubeと異なり、キチンとCMが入るべき箇所にCMが入るので、視聴者のストレスも少ない様です。

地上波TVはコスト的に高いイメージがあったり、狙っている年齢層に届かないケースも考えられますが、コネクテッドTVとOTTであれば精度の高い数字が確認できるので、今後、プロモーションプランの一つとして考えてみてもいいでしょう。

羽木昌尚

2004年にコンテンツプロバイダに入社。
デジタルコンテンツの権利の許諾獲得、自社サービスのプロモーション業務に従事。
2006年にコンテンツデベロッパーに入社。
自社アプリの広告出稿業務に従事し、担当アプリにて900万DL達成。
また、自社メディアでの広告マネタイズを経験。
2018年より独立し、モバイルゲームやアプリをはじめ、
有名おもちゃメーカーなど様々な企業、プロダクトのマーケティング戦略の立案と実行を支援。

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