カクテル一つひとつを記事として書き出してから、ジンかウォッカだけだったなと感じたのでテキーラにしようと思いこのカクテルにしました。
マルガリータについてどのような印象をお持ちでしょうか?
この記事を書くようになり、なるべく認知度の高いカクテルから紹介して行こうと考えておりますが、マルガリータは比較的ご存知な方も多いと思います。
私のこのカクテルに関して、酒の持つマイナス点がプラスに転じるということを体感しやすいカクテルという印象を持っています。
マルガリータ Margarita
introduction
マルガリータをご存知でない方のために、簡単に説明を添えておきます。
テキーラをベースにしたショートカクテルでコアントローとライムジュースも入っています。
特徴的なのはグラスの縁についた塩ではないでしょうか?
少し酸味を感じやすいカクテルではありますが、この塩によってカクテルの甘みを感じやすくなるように思います。
this volume
日頃からカクテルを作るときは、酒の持つアルコール感を極力感じないように心がけていますがこの点でマルガリータは大変苦戦しました。
アルコール感を抑えるためにベースの酒の量を減らせば良いというわけではありません。
他のカクテルならベースを厳選し、少しでもクリアな味わいの物を選ぶ事で幾分か和らげることもできるのですがマルガリータの場合はそこが正解でない様な気がしてなりませんでした。
確かに飲みやすくはなるのですが、カクテルの味自体が全体的に薄く感じてしますのです。
ライムジュースやコアントローなどで調整もできますが、テキーラがベースである事の意味がなくなってしまいます。
雑味の多いテキーラで作ればバランスが取りづらく雑味が多くなり、クリアな味わいの物を使えばテキーラの良い部分も薄くなり大変困惑しました。
recipe&technique
ですのでここで自身がマルガリータに何を求めているのかをもう一度考えることにしました。
1、テキーラの持つ甘味
2、ライムとコアントローの甘酸のバランス
3、飲み口の柔らかさ
次に上記の三点をどのようにカクテルに加えるかを改めることにします。
1、あえて雑味の有るテキーラを使いベースの味に厚みを持たせる
2、雑味の部分はシェークで氷を溶かしつつ調整
3、甘酸のバランス
このように改めることでテキーラ本来の味わいを生かしつつ、雑味を抑えたマルガリータが完成しました。
分量例:
サウザ シルバーテキーラ | 45ml |
コアントロー | 15ml |
ライムジュース | 15ml |
Ending
この経験を経て気付かされたのは、技術を使う上での目的をいかに持つかと言う事でした。
このマルガリータで悩むまで、私はシェーカーを振る=冷やすと言う様に目的が完全に固まっていました。
もちろん冷やすのは必須です、しかし冷やすではなくあえて氷を溶かし加水するという考えも必要となります。
シェーカーを扱う上での目的が増えたことで、カクテルの幅が大きく広がりました。
修行時代から氷を溶かすのは良くないことだと思い過ごしていたため、この事に気づけたのは幸いでした。
カクテルの味に悩む若いバーテンダーの方が居られたら是非一度開き直ってみてください。