Cocktail Story ~ バーのグラスについて

introduction

 今回はバーのグラスについてお話していきたいと思います。私がお話する話題は大抵店舗やバーテンダーによる、と言う少しモヤっとした感じになってしまいますが今回もそうなります。ではグラスと言うアイテムに何故店舗による違いができるのか、その点について考えていきたいと思います。

イメージされやすいバーのグラス

 バーでのグラスを思い浮かべると綺麗なカットが入ったロックグラスやタンブラー、細く薄手のカクテルグラスなど繊細で高級なイメージではないでしょうか?オーセンティックなバーだけで見るとそのイメージはほとんど正解です。グラスはバーにとって雰囲気を演出する非常に重要なアイテムで、店舗のイメージに合わせて選ぶ事が重要と考えます。 店舗の雰囲気によってどの様なグラスでドリンクが提供されるか想像するのは簡単だと思いますが、このイメージがズレていると微妙な違和感を感じてしまうかもしれません

バーで使用されるグラスの違い

 バーによって使用されるグラスのデザインは様々ですが、重要になるのはグラスの価格です。高単価な店舗であれば某高級グラスしか扱わないと言うようなバーも存在します、ですが全てのバーが同じ様にはできません。

その理由として

  • 客単価の差
  • 客層の違い
  • 店舗の雰囲気

上記の3点が大きく関わってきます。

 まず客単価の違いですが、前提としてグラスは消耗品です。バーでの使用において大小様々な破損が生じます、この破損に関してはお客側が割ってしまう可能性は低く大抵バーテンダー側の些細なミスで破損します。この破損が続いてしまうと当然グラスを新たに購入しなければなりません。一脚1.000円のグラスを6脚購入で6.000円ですが、グラスの価格が高ければ当然購入価格は跳ね上がります。カクテルを一杯700円で提供しているカジュアルなバーで高級な価格のグラスを破損度に補充していては店舗の経営が成り立ちません。高単価である程度の利益率が確保されていて初めて安定して高級なグラスを使用できる事になります。

 次に客層の違いですが、先程グラスの破損は大抵バーテンダー側のミスと書きましたが客層が変わるとこの点も変わります。前提として客層の違いと書いていますが良し悪しの話ではないのでご理解下さい。わかりやすくすると比較的客層が若い世代が多いバーとして見た場合に、過度な乾杯や酔いによる影響などでグラスが破損する確率は非常に高くなります。この場合は破損による補充を前提として購入するグラスの価格を調整する必要があります。

 そして一番難しい点が店舗の雰囲気です。以前別記事でも書きましたが、全てが高級であれば良い訳ではありません。そのバーにあったグラスを選択できているかが重要になります。価格だけでなくデザインも含めて店舗にあったものを使用しなければ、どこかで小さな違和感が生まれます。

Ending

 カジュアルなバーで高級なグラスばかり揃っていても違和感が生まれますし、逆もまたしかり。オーセンティックなバーでも高級な店ばかりではありません。店舗の雰囲気と客単価から無理のない価格のグラスを選ぶ必要があります。


四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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