Cocktail Story ~ 場所でお酒の味は変わるのか

introduction

 今回は飲む場所でお酒の味が変わるのかについて考えてみたいと思います。立ち寄った店や旅先など場所が変わった場合にお酒の味が変わるかどうか、幾つかの視点で見ていきましょう。

いつも飲むお酒の味が違うパターン

 国内外問わず旅行に出かけた際、旅先で飲んだいつも飲むお酒の味が違う事があります。このパターンはビールによく見られます。これはメーカーに寄りますがビール工場が複数存在している場合、当然ビールの醸造に使われている水が異なります。もちろん各社細心の注意を払い採水地による違いが出ないよう徹底して製造されていますが、その差はやはり大きく味覚が繊細な方であれば違いに気づくと思います。旅先でビールの味が違う気がした方はこのパターンが当てはまります。ビールに関してはビールサーバーの洗浄をしっかりしているかで味が変わる事もありますが今回はしっかり綺麗に洗浄されている前提とします。

旅先で飲んだお酒を購入して自宅で飲んだ時

 旅先で飲んだお酒、特にその地域で作られているお酒をとても美味しく感じて買って帰った経験は多くの方がされているでしょう。自身もその様な経験を多々しております、しかしながらそれら現地より持ち帰ったお酒が自宅で飲んでみると何故か味が違うような気がする事があります。旅先で飲んだ時はとても美味しく感じたものが、持ち帰るとそうでなくなるパターン。これは同じお酒を持ち帰っている場合、お酒の味が変化した訳ではないでしょう。ここで影響するのは旅先の気候や風土そして料理ではないでしょうか?お酒は作られる土地の環境や料理と相性が悪い訳がありません、それらに合わせて作られていると言っても過言ではないでしょう。あらゆる環境が揃った中で飲むのと、そうではないお酒単体の味とではやはり違いが出て当然でしょう。

Ending

 お酒は飲む環境や自身の気持ちの面が味に大きな影響を与えるものと考えています。気を使って無理して飲むお酒はどれほど高級なものであっても美味しくはなく、仲間内で楽しく飲むお酒は安酒でも美味しいものです。旅先での思い出がより良いものであればあるほどその味わいも美化されてしまう部分がある事は否定できません。


四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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