今、ビジネス書を読む意義

秋と言えば「スポーツの秋」、「芸術の秋」、
「食欲の秋」、「読書の秋」と言いますが、
今回、フォーカスするのは読書。

私自身、視力は1.0 〜 1.5と比較的良好なのですが、
老眼が出てきており、本を読むのが辛くなってきておりますが、
特にビジネス書を読むと、情報が整理され、
新たな考え方の軸を得たように感じられます。

漫画や小説、趣味の本などは

今回は「ビジネス書を読む」ことに注目してみたいと思います。

■まずは書店に行こう

いきなり話が趣旨から離れますが、
本を買うのであれば、折角なら書店を巡ってみてはいかがでしょうか?
そして、雑誌コーナーに行って、色々な雑誌の表紙を見てみましょう。

雑誌の表紙や裏表紙はメーカーやデベロッパーが「売りたい」物事が間違いなく占めています。
例えば、ファッション誌であれば、
はじまったばかりドラマに出演している俳優がブランドの最新ファッションを着ていたり、
車雑誌であれば、新発売の車が、ガジェット系の雑誌であれば新発売の家電が。。。。

以前はコンビニの雑誌売り場で済みましたが、
コンビニの書籍売り場が縮小、もしくは無くなり、
広告効果は少なくなったかもしれませんが、
「売り込みたいモノ」が雑誌の表紙を飾るのは無くならないでしょう。

あと、ビジネス書の並びも色々と確認してみましょう。
こちらもトレンドが反映されています。
今なら、DXやAI、Web3関連の書籍が多いかもしれませんね。
加えて、書店の立地も踏まえると、
平積みの違いが出ていて、興味深いです。

本屋はトレンドを確認するにはいい場所だと思います。

■「ハウツー本」と「取りまとめ本」

まずは、今、現代の「本」の存在意義を考えてみましょう。
単に情報を得るのであれば、新聞だったり、それこそWebの記事で全然間に合うのではないでしょうか?
本って執筆された時点までの情報を的確に取りまとめたもので、
情報取得をし逃したのを取り返す機会だと思います。

ビジネス書も同じく、今まで経験してきてないこと、
新しいチャレンジの情報を筆者の視点で的確にまとめてあるものだと思っています。

ビジネス書は私自身的には大きく二つに分けられると考えています。
一つはリアルタイムで変化が激しいジャンルの「ハウツー的な本」、
もう一つは、ある程度変化が落ち着いて熟成されつつあるジャンルの
「取りまとめ的な本」に個人的に大きく分けています。

例えば、課題が明確な場合、○○仕事術のようなハウツー本でいいですが、
課題がぼんやりしている場合には、取りまとめ本で、課題を見つけ出してくれる場合もありますね。
もちろん、上記の二つを混ぜた様なビジネス書もありますが、
上手く纏められたものは、それこそ名著と呼ばれるものになります。

「ハウツー的な本」は、リアルタイムで変化の多いジャンルを執筆された時点で、
最新のノウハウや実践方法、考え方を取りまとめた本になります。
変革の時代を切り取ったもので、一つの軸となる視点を持てます。
その軸がそのままビジネスに直結するか分かりませんが、
色々な軸があってこそ、様々な視点を持て、それらを活かすことができると思います。

「取りまとめ的な本」はある程度変化が落ち着いて熟成されつつあるジャンルで、
それまでの経緯を取りまとめ、今後の発展的展開を予測しているものが多いでしょうか。
今後の発展的展開に重きを置いて読むのもいいですが、
個人的にはそれまの経緯に注目して読んでいます。

1800年代後半にドイツ帝国の初代宰相を勤めたオットー・ビスマルクの言葉に
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というのものがあります。
歴史をどう捉えるかによって意味は変わりますが、
私個人的には歴史とは、
「どの様な状況で、どの様な判断をして、どの様な結果になったのか?」を
分析するものだと考えています。

歴史と言われると大きく広げれば、国レベルであれば「日本史」、
世界レベルであれば「世界史」になりがちですが、
逆に、小さく見ていけば、企業における「戦略史」、商談における「戦術史」になり、
これも歴史なのです。
そして、ビジネスにおける「戦術史」は日報やSFA/CRMなのです。
日々のお客様のやり取りが積もり積もると、型やスキームが抽出しやすくなり、
その型やスキームを普遍化やブラッシュアップすることにより、マニュアルになるのです。
また、成功例だけでなく失敗例もきちんと知識として持っておくべきです。
成功例は不確定要素が多くみますが、失敗にはきちんと理由があると思います。
その失敗した理由を分析して、対処することにより、
再現性の高いマニュアルができると思います。

話がずれましたが、
「取りまとめ的」ビジネス書は、企業や業種、業態単位で、
「どの様な状況で、どの様な判断をして、どの様な結果になったのか?」を、
様々な分析され、それらを知ることにより、数多くの判断と結果を知り、
今直面している課題に対し、どの様な解決策を選択すべきかが明確になります。

■今、ビジネス書を読む意義

「ハウツー的な本」は今の変化の多い時代を切り取り、
「取りまとめ的な本」は数多くの判断と結果を知ることができます。
そして、Webや新聞で業界的な情報をアップデートし、
SFA/CRMから得られる自社の取引の顧客の情報を取りまとめれば、
先行きが不透明で、将来の予測が困難なVUCA時代でも、
十二分な足場を作ることができるでしょう。
改めて、ビジネス書を手に取ってみてはいかがでしょうか?

羽木昌尚

2004年にコンテンツプロバイダに入社。
デジタルコンテンツの権利の許諾獲得、自社サービスのプロモーション業務に従事。
2006年にコンテンツデベロッパーに入社。
自社アプリの広告出稿業務に従事し、担当アプリにて900万DL達成。
また、自社メディアでの広告マネタイズを経験。
2018年より独立し、モバイルゲームやアプリをはじめ、
有名おもちゃメーカーなど様々な企業、プロダクトのマーケティング戦略の立案と実行を支援。

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