Cocktail Story ~ 近年のジャパニーズウイスキーについて

introduction

 これまでも何度か話題にした事がありましたが改めてジャパニーズウイスキーについて思う事などを書き連ねてみようと思います。この10数年で本当に沢山のウイスキーが国内からリリースされ、嬉しい事ではありますが日々新しい物を追うにもキリがない状況です。そんなジャパニーズウイスキーついての私なりの感想にはなりますがよろしければお付き合いください。

ジャパニーズウイスキーの過去と現在

 ウイスキーの歴史全体を考えれば、ジャパニーズウイスキーはあくまでスコッチに似て非なるもの。と言う評価の時代は決して短くはありませんでした。世界的な評価だけで無く、国内においても今の様な評価をされる状況は個人的には全く予想していませんでした。年末辺りになれば大手メーカーの方が某ウイスキーの限定品を営業に来られ、2本購入すればもう1本付いてくる様なキャンペーンもありました。今思えば買っておくべきでしたが、今ほどでなくとも中々高価なもので毎回1本だけ購入していました。その様な厳しい状況を経て今のジャパニーズウイスキーへの評価があると考えると、ここに至るまでの各社の努力は凄まじいものだったのだろうと思います。そこから3年ほど経った頃には少しずつ限定品が入手し辛くなり、通常ラインナップの出荷数も徐々に少なくなりました。少し前まで量販店で手に入ったものがネットオークションなどで高値で取引されている光景は見ていて中々に複雑な気持ちでした。メジャーなジャパニーズウイスキーの品切れや出荷制限が続くにつれ、これまで目にする事が少なかった銘柄が注目され始めたのもとても印象に残っています。 ここまでに至ったジャパニーズウイスキーは最早新興のウイスキーではなく、確固たる地位を築いた正真正銘のウイスキーと言えるはずです

ジャパニーズウイスキー内での新規銘柄

 そんなジャパニーズウイスキーにも新たな銘柄が続々と発売され、今ではかなりの数が流通しています。私も人からこれはどうか、あれはどうかと尋ねられる事があります。しかしながら答えは決まっていてまだ判断する時ではないとお答えします。

 ご存知の通りウイスキーは熟成に時間がかかる物ですが蒸留所自体も年々経験を重ね、原酒のストックを増やしていきます。それはが潤沢になった頃真価が問われるものではないかと私は考えます。リリース数年の蒸留所と100年近く続く蒸留所では比べるにはまだまだ早く、新しい蒸留所の傾向から自分好みの味のウイスキーを見つけて長く飲み続ける事でその蒸留所の過程を追う事ができます。

Ending

 現状のスコッチウイスキーで蒸留所のスタートから味を知れる機会はそうそうある物ではありません。そう思うと今の日本は最もウイスキーを楽しめる場所なのかも知れませんね。

四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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