Cocktail Story ~ バーにビールがない(少ない)理由

introduction

 今回はバーでビールの取扱いが少ない理由についてみて行きたいと思います。内容的に現在のバーでは当てはまらない部分もあるかもしれませんが、過去にはそう言う時代も有ったのだと知って頂ければ幸いです

ビールの取扱い

 まずビールの取扱いとその注意点からお話しましょう。ご自宅でも同様ですがビールは開栓後に飲み切ってしまう事がほとんどで、翌日はおろか後日に取っておく事はほぼないと思われます。発泡性の醸造酒である事から開栓後の保管には不向きなお酒である事はイメージしやすいでしょう。瓶ビールのみならず生ビールのタンクも同様で一度サーバーに接続(開栓)してしまうとその後は可能な限り早く消費しなければ当然劣化してしまいます、飲食店においても最もサイクルを早く回さないといけないお酒であると言えます。

バーでのビール

 バーでは他の業態よりも格段にお酒の選択肢が増えます。二軒目でバーを訪れた場合、その段階でビールを注文される割合がぐっと下がります。これは一軒目の食事ですでにビールを飲まれているからかもしれません。品質の劣化が激しい上に注文頻度が低いとあらかじめわかった状態では取扱い自体に消極的になるバーも少なくありません。もちろんバーの席数や主に取扱うお酒のジャンルにもよりますが取扱う数が増えやすいジャンルでは無いと言えるでしょう。席数が少ないバーではカクテルに使用する為に最低限、小瓶のビールを一種類だけ取扱うと言った場合も多くみられます。しかし現在では生ビールのタンクも少量のものが設定されたり、多種多様なクラフトビールが小瓶で販売されるなど過去に比べると多少取扱いやすくはなりました。

バーにビールがないと言われる理由

 現在は上記の様に小さな容量で様々なビールが販売されていたり、冷蔵設備も良くなっているためバーで全くビールを取扱わない店舗はかなり少ないと思います。その反面バーにビールは無いと言うイメージを持つ方がおられるのも事実です。これに関しては一部メディアによるイメージが強く残っているのかもしれません、自身も過去に有名なバーが取り上げられたテレビの映像の中でマスターが『ビールが飲みたければビアホールへ』とおっしゃっているのを拝見した事があります。相当に過去の映像でしたが、当時のバー全てが同じでは無かったと思います。バー自体のメディア露出が少なかった時代に世に出た一部のイメージがかなり根付いいるのかもしれません。

Ending

 現在ではクラフトビールを主に扱われるバーもありますのでビール党の方は遠慮なくバーでビールをオーダーしていただければと思います。実際私はほとんどビールしか飲みません。


四ノ宮清十郎

若くしてバーの世界に飛び込む。
オーセンティックバーなどで修行を積み、独立。
現在は関西を中心に飲食コンサルタントとして活躍中。

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